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【訪問介護×AI】個人情報漏洩を起こさないための安全な活用法

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訪問介護現場において、記録の作成やスタッフ間の申し送り業務は、毎日の業務の中で大きな割合を占める負担となっています。
こうした手書きや転記作業の負担を軽減し、本来の介護サービスに専念できる環境を整えるため、昨今「AI」を活用した業務効率化・ICT化への注目が急上昇しています。

しかしその一方で、「利便性は感じるが、個人情報漏洩やセキュリティに不安がある」という声が多いのも事実です。
訪問介護は、利用者の氏名や住所だけでなく、既往歴・病状・家族構成・生活習慣など、極めて機密性の高い個人情報を日常的に取り扱うため、リスクを懸念されるのは当然のことといえます。

本コラムでは、訪問介護現場でAIを活用する際に知っておくべきリスクと、「業務効率化」と「セキュリティ」を両立させるための具体的な解決策について詳しく解説します。



訪問介護現場で広がるAI活用と「個人情報漏洩」のリスク


業務効率化ツールとして注目されている「AI」

昨今、ビジネスや医療・福祉など多様な分野で「生成AI」をはじめとするAI技術の活用が急速に広まっています。
文章の作成や要約、アイデア出し、データ整理などを瞬時に行えるAIは、業務のあり方を大きく変える革新的なツールとして定着しつつあります。

慢性的な人手不足や書類作成の負担が課題となっている訪問介護業界においても、「訪問記録の文章化」「申し送り事項の要約」「ケアプラン案の作成補助」などにAIを活用する動きが注目を集めています。
このような事務時間を削減できれば、より多くの時間を利用者への直接的なケアに充てることが可能になります。

一方、現場で懸念される「情報漏洩」リスク

AIの利便性が評価される一方で、現場の管理者やスタッフの間で強く懸念されているのが「情報漏洩」のリスクです。

「AIに入力した情報が、外部に漏れてしまうのではないか」といった不安は少なくありません。というのも、AIは入力された文章をもとに回答を生成する仕組みなので、入力の仕方や利用するAIの設定や規約によっては、意図せず外部サーバーに保存されたり、学習データとして利用されてしまう可能性があります。

ここで前提として押さえておきたいのは、介護事業所における個人情報の取り扱いが、一般的な企業以上に厳格な法的根拠に基づいているという点です。

介護保険法に基づく運営基準や指定基準では、事業者は「利用者およびその家族の個人情報について、適切な取扱いを行わなければならない」と定められています。 万が一、情報の管理不備や漏洩が発生した場合は、単なる信頼失墜にとどまらず、行政指導(運営指導)や指定取消しといった厳しい処分の対象となり得ます。

訪問介護という「個人のプライベートな空間に足を踏み入れるサービス」だからこそ、法令遵守と徹底したセキュリティ管理が前提条件となるのです。

AI利用時に潜む3つの「情報漏洩リスク」


現場で適切な管理体制がないままAIを利用してしまうと、事業者として取り返しのつかない事態を招く恐れがあります。
ここでは、AI利用時に潜む、3つのリスクについて解説します。

入力データがAIの学習データとして流出するリスク

無料版をはじめとするパブリックな生成AIサービスでは、ユーザーが入力したデータや文章を「AIの精度向上のための学習データ」として蓄積・再利用する仕様になっているケースが多々あります。

その場合、もし現場のスタッフが「〇〇市在住の〇〇様(80代女性)が本日自宅で転倒し…」といった具体的な記録をそのままAIに入力した場合、そのデータがAIの学習用データベースに取り込まれます。 その結果、他の第三者が全く関係のない検索や質問を行った際に、入力した個人情報や事故内容の一部が回答として出力されてしまう「二次流出」のリスクが発生します。

AIを利用する際は「個人情報の特定につながる情報は絶対に入力しない」という原則の徹底が必要です。

    ▼生成AIに入力してはいけない情報(一例)
  • 利用者本人および家族の氏名など、個人を特定できる情報
  • 具体的な病歴既往歴・要介護度・身体状況
  • ご家庭の事情(家族構成・キーパーソンの連絡先・経済状況など)
  • 事業所の名前、ヘルパーの名前
  • その他、組み合わせることで特定の個人が識別できてしまう情報

個人スマホ・アカウント利用(シャドーIT)によるリスク

事業所として明確な導入手続きやルールを定めないまま運用していると、個人のスマートフォンや個人のAIアカウントを業務で使ってしまう可能性があります。

このように会社の管理下にないIT機器やサービスを業務に使うことを「シャドーIT」と呼びます。
シャドーITを放置してしまうと、事業所の管理が及ばない場所で、以下のような漏洩リスクが高まります。

  • 個人スマホ内に利用者の個人情報や画像データが残る
  • 個人のAIアカウントにログイン履歴や入力データが保存・蓄積される
  • パスワード管理の不備や、端末の紛失等による第三者への情報流出
  • 該当スタッフの退職時に、業務データの削除確認や持ち出し防止ができない

業務で個人のスマートフォンを使用することによるリスクについては、以下のコラムでも触れていますので、ぜひ併せてご覧ください。


管理不備によるガイドライン違反、行政処分のリスク

上記のような、学習データへの流出や、個人スマホ等のシャドーITのような運用を容認してしまうと、厚生労働省の「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」に抵触し、事業者としての安全管理義務違反を問われる事態となります。

もし個人情報の漏洩やガイドライン違反が発覚した場合、運営指導での是正勧告や事業停止といった行政処分の対象となるだけでなく、利用者やそのご家族、ケアマネジャーからの信頼を著しく損なうことになります。 一度失った信頼を回復することは容易ではなく、事業所の存続そのものを揺るがす深刻なリスクとなります。

参考:厚生労働分野における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン 等




業務で安全にAI活用をするためのガイドライン


ここでは、個人情報漏洩のリスクを排し、AIを安全に活用するためにできることをご紹介します。
運用ミス防止や、業務効率化を図るためにぜひ参考にしてみてください。

事業所内で「AIの利用ルール」を作る

現場での運用ミスや誤情報の鵜呑みをなくすために明確なルールを整備・徹底する必要があります。 先ほど述べた、「個人情報の特定につながる情報は絶対に入力しない」ほか、「AIが出力した文章や回答は必ずしも100%正しいとは限らない」という点も留意しなければなりません。

生成AIには、事実と異なる情報を真実のように自然に生成してしまう、といったことも起こります。 そのため、個人情報の保護ルールと併せて「必ず最後は人間が目視確認する」というルールを徹底することが重要です。

あくまで一例ですが、以下のようなルールを作成し、事業所全体で安全な運用を心がけていきましょう。

    ▼AIを利用する際のルール(例)
  • 業務で使ってよい生成AIツールを決めておく
    事業所として契約した「法人向けのビジネスプラン」を契約・導入し、業務ではそのツールのみの操作を許可する。

  • プロンプト(指示文)ルールの徹底
    名前は「A様」、住所は「〇〇市」など、固有名詞を事前に伏字にしてから入力する。

  • 人間の目によるチェック義務化
    AIが生成した文章(介護記録や要約など)を鵜呑みにせず、実際の状態と相違がないか必ず人の目と手で確認・修正した上で確定させる。

  • 端末利用の制限
    個人のスマホでの利用を禁止し、事業所支給の端末のみで操作を許可する。 等

「ソフト内完結型AI」を使う

もう1つは、「介護記録ソフト・業務システムの中で完全に閉じられた形で動作するAI機能(ソフト内完結型AI)を選択する」。
つまり、外部の生成AIサービスに手動でデータをコピー&ペーストするのではなく、日常的に利用している介護記録ソフトそのものに搭載されているAI機能を活用する、という方法です。

この方法なら、個人情報がソフトの枠組みを超えて外部サービスへ漏れ出ることはありませんし、現場のスタッフが入力前にいちいち個人情報(利用者名など)を消すといった余計な手間もかかりません。
また、操作がソフト内で完結するため、スタッフ個人の判断やアカウント運用による誤操作・漏洩事故を防ぐこともできます。

帳票作成の効率化、これまでの記録の要約など、AIの利便性を最大限に享受しながら、セキュリティリスクを極限まで抑えることができるため、介護事業所にとって最も確実かつ安全な解決策といえます。


まとめ


訪問介護におけるAI活用は、記録作業の負担を軽減しケアの質を高める強力な武器ですが、個人情報の徹底した保護が欠かせません。 外部のAIツールは、データ学習による流出や厚労省ガイドライン抵触のリスクが高く、現場で運用するには少しハードルが高いかもしれません。 そこでおすすめなのが、介護記録ソフト内で完結するAIの導入です。

弊社の「Care-wing(ケアウイング)」のAI機能は、「特定事業所加算の指示文章」や「モニタリング・支援経過」の作成をサポートします。 コンプライアンスを守りながら業務効率化を進めるツールとして、ご興味のある方は以下よりお問い合わせください。




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