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訪問介護の特定事業所加算Q&Aについて
訪問介護の特定事業所加算の算定を目指している、または算定しているが細かい要件についてあまり把握できていないお客様からよくいただくご質問やポイントをまとめました。
訪問介護の特定事業所加算とは
特定事業所加算とは、サービスの質の高い事業所を積極的に評価する観点から、人材の質の確保やヘルパーの活動環境の整備等を行っている事業所に以下のような加算がされる制度です。
訪問介護の特定事業所加算にはⅠ~Ⅴまであり、3%~最大20%の加算が算定可能です。
【加算率】
特定事業所加算Ⅰ…20%
特定事業所加算Ⅱ…10%
特定事業所加算Ⅲ…10%
特定事業所加算Ⅳ…5%
特定事業所加算Ⅴ…3%
令和3年度介護報酬改定により新しく、特定事業所加算Ⅴが追加されることになりました。
算定するためには事業所内の介護福祉士の人数の割合などの人に関する人材要件や、利用者の要介護度などに関する重度対応要件、研修や定期的な会議の開催、指示・報告を文書で残すことなどの体制要件等を満たすことが必要で、それぞれの満たす項目によって算定できる加算が異なってきます。
詳しい算定要件については以下の記事をご覧ください。
続いて各要件などについてよく頂く質問をまとめました。
特定事業所加算 よくある疑問・質問
人材要件に関して
Q:人材要件のうち、「サービス提供責任者要件」を月の途中で満たさなくなった場合、加算の算定ができなくなるのはいつからですか?
A:
翌月の初日から算定できなくなります。
(例)4月末時点ではサービス提供責任者要件を満たしてる状態
5月途中に要件を満たさなくなった → 6月から算定できなくなる
ただし、5月中に要件を満たせた場合は引き続きの算定が可能です。
※介護保険最新情報Vol.69 平成21年4月改定関係Q&A(Vol.1)(問28)参照
体制要件に関して
研修について
Q:研修計画はひとりひとり別のものを作らないといけないのですか?
A:
ヘルパーやサ責ごとにをグループ分けしても問題はありません。
役職や、経験年数、勤続年数、所有資格、本人の意向等によってグループに分けて、そのグループに対しては同様の研修を行うかたちでも差し支えはありません。
原則、全ての訪問介護員等が概ね1年に1回以上、研修を実施できるよう計画を策定が必要です。
※介護保険最新情報vol.69 平成21 年4 月改定関係Q&A(vol.1)(問3)参照
健康診断について
Q:定期的な健康診断に関しての注意事項はありますか?
A:
登録ヘルパーを含む全ての訪問介護員に対しての、1年に1回、事業者負担で実施する必要があります。
仮に複数事業所で働く登録ヘルパーなどが他の事業所ですでに実施している場合などは健康診断の結果を証明する書面を提出すれば問題ありません。
※介護保険最新情報vol.69 平成21 年4 月改定関係Q&A(vol.1)(問4)参照
指示報告について
Q:サービス提供責任者からヘルパーへ文書による指示、その報告は毎回のサービスごとに行わなければならないのですか?
A:
原則はサービス提供前に毎回する必要がありますが、以下の図A~Cの場合においては一括で指示、まとめて報告を受けることも可能です。
※介護保険最新情報vol.267「平成24 年度介護報酬改定に関するQ&A(vol.1) (問13)参照
全般について
Q:訪問介護における特定事業所加算の算定要件については、毎月満たしていなければならないのですか。また、要件に該当しないことが判明した場合の取扱いはどのようになりますか?
A:
加算取得の届出後についても、常に要件を満たしている必要があります。
要件に該当しないことが判明すれば、その時点で廃止届出を出し、翌月分から算定しない取扱いとなります。
※介護制度改革information vol.80平成18 年 4 月改定関係 Q A(vol.2)28参照
Q:特定事業所加算を取得すると利用者負担が上がるので、特定の利用者だけ加算を行わないことは可能ですか?
A:
特定の利用者に対して加算を行わないことは認められません。
加算を取得するか、あるいは利用者の負担を考慮して取得しないかのどちらかを、あらかじめ各事業者が十分検討の上、選択する必要があります。
※平成18 年 4 月改定関係 Q A(vol.2)参照
※本情報は厚労省から発表されている資料をまとめたものです。実際の届出等に際しては必ず指定権者にお問い合わせください。
留意事項の文書での伝達及び報告を楽にする方法
算定要件の疑問・質問の他、実際の運用においてもよく頂く質問が「留意事項の文書での伝達及び報告」をどうすれば楽にできるのか、といった内容です。
各種算定要件はしっかりと整備を行うことで満たすことはできますが、文書での指示・報告に関しては日々の事業所運営のやり方に大きく関わってきます。
算定されている事業所様では、事業所に立ち寄って指示を確認してから訪問へ向かう方法や、メールやSNSを使って指示・報告をされているケースもありますが、サービス提供責任者やヘルパーにかかる負担は少なくありません。
さらに実地指導の際はしっかりと指示・報告が文書で保管されているかという点は特に厳しくチェックされます。
このような悩みを解決できるのがICTです。
介護現場にあったICTツールを活用することで指示・報告の負担は大幅に軽減できます。
下記にあげさせていただいた事業所様では、ICTを活用して特定事業所加算の運用を楽にするだけではなく、訪問介護業務にまつわる様々な事務作業を効率化し、収益の向上に成功されたいらっしゃいます。
是非参考にしてみてください。
特定事業所加算取得事例
従業員の賃金アップを求めて加算取得を検討された事業所様です。
算定前はケアマネジャーからの紹介が減ることを不安視されていらっしゃいましたが、ケアの質向上が評価されケアマネからの紹介は減っていないとのことです。
紙ベースで特定事業所加算の指示や報告を行っていましたが業務の煩雑さからICTを導入して業務効率化に成功されました。