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介護現場のICT・IoT・AI…導入を成功させるポイントとは

2021/03/29

介護が必要な高齢者が増加している今、介護業界では慢性的な人材不足の問題に陥っています。この問題を解消する手段として注目されていることが介護業界のシステム化。

インターネット技術を活用するICTやloT、AIを取り入れることにより、これまで人が時間をかけて行っていた業務を効率よく行うことができると期待され、業務の効率化が求められている介護業界ではシステム化が推進されています。

ただ、介護業界でのシステム化は多くのメリットがある一方、導入には注意するべき点があることも事実。安易にシステム移行を進めることはおすすめできません。

今回はシステム化を成功させることを目指した導入時の課題や注意点についてご紹介します。


【目次】
介護業界は低いシステム活用率
介護業界が抱えるシステム化への課題
システム化の導入を成功させるポイント
注意点をカバーしてシステム化を検討しよう





介護業界は低いシステム活用率

少子高齢化社会である日本は、労働人口が減少していることに課題を抱えています。そのため介護業界に関わらず、教育現場や製造業、飲食業など、あらゆる業界でシステム化は注目されている状況です。

そんななか、総務省の「ICTが成長に与える効果に関する調査研究(平成24年)」によると介護業界のシステム活用率やその効果はあらゆる業界と比べても低いレベルであることがわかりました。

介護のニーズはこれからも増え続けることが予想されていますが、多くの書類作成をいまだに手作業で行っている介護現場が多いことが現状です。

また、申し送りや引き継ぎなど情報共有のために多くの時間を費やしてしまい、残業が当たり前のような業界でもあります。

働き方の改善や今後も増え続ける介護のニーズに応えるには、このようなアナログ部分を見直して積極的にシステム化を進めることが必要です。


参照)平成24年総務省「ICTが成長に与える効果に関する調査研究(平成24年)」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc114640.html






介護業界が抱えるシステム化への課題

なぜ介護業界ではなかなかシステム化へ移行することができないのでしょうか。そこには介護業界が抱える問題があるとみられます。

介護業界が抱えるシステム化の課題をみていきましょう。



導入コストが懸念されている

介護施設をシステム化するには パソコンやスマートフォンなどのデバイスを用意したり、施設内にインターネット環境を整えたりなど、今まで必要ではなかった経費が必要になります。

さらにシステム化への維持費や保守点検費用、個人情報を守るためのセキュリティ対策にも費用が必要です。

導入時にはまとまった費用が必要になるので、導入を妨げる要因になっていることは間違いありません。



比較や検討する手間と時間が必要

いまや、システムツールはさまざまな企業が開発を進めており、展開されているツールも増えています。そのため、その事業所に合ったシステムを導入することが可能です。

しかし、取り入れてもスタッフが使いこなせなければ業務効率は逆に下がることが懸念され、せっかくの導入費用も無駄になってしまうこともあり得ます。

そのため導入に至るまでには複数の企業に問い合わせて資料請求をしたり、見積もりをとってもらったりなど、事業所に合ったシステム選びをすることは必要不可欠。

事業所が提供するサービス形態や、利用者の人数、スタッフの使いやすさなど、あらゆる観点から比較検討してシステム選びをするという手間と時間が導入時には求められます。



スタッフの理解と教育が必要

介護業界で働くスタッフは20~60代、訪問介護に至ってはそれ以上の年代の方までも活躍しており、アナログなやり方に慣れ親しんでいるスタッフも多くいます。

利用者やその家族、スタッフ同士で密に関わっていくことにやりがいを感じているスタッフにとっては、パソコンやスマホ、見守りシステムなどシステムを通して業務を行っていくことに抵抗を感じる人もいることでしょう。

そのため「なぜシステム化が必要なのか」という部分を将来のビジョンとともに説明し、システムの導入について理解してもらうことが求められます。

また、スタッフのなかにはスマホやパソコンを触ったことがないという人もいます。取り入れるシステムはすべてのスタッフが使いこなせるようにする必要があるため、システムの使い方を学べたり、課題を見出したりするなどの環境づくりも求められます。

導入に際しては、システムについての教育しっかり行っていくことが大切です。





システム化の導入を成功させるポイント

現場で抱える課題をシステムでクリアにすると業務効率化がアップすることが期待できます。結果として介護ケアの高品質につながったり、スタッフが働きやすい環境が整ったりと、あらゆる面でメリットを感じることができるでしょう。

しかし、導入方法を誤るとせっかく費用をかけて導入したシステムが活用されなかったり、スタッフが不満を抱いたりする職場環境になる恐れもあります。

以下のポイントをおさえてシステム化を推進していくことが大切です。



現場の課題や悩みをシステム化するところからはじめる

「システム化はたくさんのメリットがあるらしいから、とりあえず導入する」というような導入目的では、システム化に何を求めているのかが不明瞭でスムーズな移行にはつながらないでしょう。

システム化は実際に抱えている課題や問題点を解消してくれる存在です。そのため、まずは現場の課題や悩みをシステム化するところからはじめましょう。

困っていることや悩みに注目し、その課題をシステム化することで解決できるのかを検討してから導入することで、現場からの理解も得られやすく、システム化のメリットを感じられます。



事例にたくさん触れる

介護業界はあらゆる業界に比べてシステムの活用率が低いことが現状ですが、すでにシステム化を取り入れて収益性を上げたり、働きやすい職場環境を実現したりと、目指すべき介護業界の形を作り上げている事業所もあります。

このような成功事例は参考にするべき情報です。実際に足を運んでシステム化の現場を見たり、話を聞いたりすることで気付かなかった課題や、ヒントが得られることが期待できます。

また、逆に失敗してしまった事例も参考にすることもポイントです。さまざまな事例に触れて成功の導入方法を習得していきましょう。



システム化移行後の費用対効果について知る

システムの導入時にかかるコストはシステム化に踏み込めない理由の1つではありますが、2018年から実施されている介護報酬改定では、システムを活用する業務が評価対象になっています。

たとえば、以下のような業務が加算対象です。


オンラインツールや動画などを用いて利用者の状況を確認し、定期的に介護ケアについて助言する
排せつ介護の分析と、分析結果をふまえた計画とその実行
介護スタッフや看護師、社会福祉士などが情報共有を行うための会議など


また、システム化の導入にかかる経費を一部支援するという“IT導入補助金制度”があるため、補助金の対象システムであれば経費負担を少なく運用できます。

システム化の移行に成功すれば紙にかかっていたコストがかからないため、従来のやり方よりも経費をおさえられることもあります。

導入コストは懸念されるポイントではありますが、導入によって得られる効果は極めて高いため、費用対効果にも注目して推進することがおすすめです。



注意点をカバーしてシステム化を検討しよう

介護人材の不足が問題となっている現代において、システムの活用は避けて通れない手段になるといえます。

しかし、システム化は現場の混乱と隣り合わせ。導入すれば必ず業務が効率化できるというわけではないので注意が必要です。

どの困っている業務に、どういったシステムで解決をするかという目線で取り入れ、システム化のメリットを最大化していくことを目指していきましょう。

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