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訪問介護で起こりがちなヒヤリハット一覧!事例と対策を徹底解説

利用者さんの安全を守るために細心の注意を払っていても、思わぬ事故につながりかねない「ヒヤリハット」に遭遇することがあります。
幸いにも事故には至らなかったとしても、その背景には必ず原因が潜んでおり、同じような事例を二度と起こさないためには、一つひとつのヒヤリハットから学び、再発防止策を講じることが重要です。

今回のコラムでは、訪問介護で起こりがちなヒヤリハットの事例をご紹介します。
具体的な事例とあわせて、原因や対策を詳しく解説していきますので、日々の業務の振り返りとしてぜひご活用ください。

ヒヤリハットとは何か


ヒヤリハットとは、一歩間違えると事故に繋がりかねない事象のことです。
厚生労働省によると、「危ないことが起こったが、幸い災害には至らなかった事象のこと」と定義されています。
また「ヒヤリハット」の語源は、「ヒヤリ」としたり「ハッと」した事案であることから、その名が付いています。

具体的な例として、「利用者が階段でつまずきそうになったが、手すりを掴んで転倒を免れた場合」や、「薬の配布時に別の方の薬を渡しそうになったが、直前で気づいて正しい薬に変更できた場合」などが挙げられます。

なぜヒヤリハット報告が重要なのか


介護の現場で、ヒヤリハットが重要な理由はいくつかあります。その理由は大きく分けて以下の3つです。

  • ご利用者様の健全な未来を守るため
  • 未来における重大な事故を未然に防ぐため
  • 他のご利用者様にも活かして事故を防ぐため

誰かが体験した事例は、他の職員も体感する可能性が高いため、原因を明らかにする必要があります。

ヒヤリハットとは何か


訪問介護をしていると、シチュエーションごとにヒヤリハットが存在します。
本章では代表的な3つのヒヤリハットについて解説します。
それぞれ早見表でまとめたので、気になる方は最後までチェックしてください。

移乗・移動時のヒヤリハット



服薬介助時のヒヤリハット



入浴・排泄・着替え時のヒヤリハット





ヒヤリハット報告書を書くときの注意点

効果的なヒヤリハット報告書を作成するためには、以下の点に注意する必要があります。
最後までチェックして書く際の参考にしてください。

迅速な記録作成

人の記憶は長続きしません。ヒヤリハット報告書を書くまでに時間が空いてしまうと、具体的な内容を書くことが難しくなり、迅速な分析や情報共有にならないでしょう。
更なる事故を起こさないためにもヒヤリハットが発生したら、迅速に報告書を作成することが重要です。


客観的事実の記録

職員の主観は避けて書くようにしてください。職員の主観が入ることで、内容にねじれが生じてしっかりとした対策ができなくなるからです。状況や原因を論理的に整理することがポイントです。

文章で書くときは、「トイレに入ってすぐのところで〇〇様が前かがみに倒れていた」など、職員が見たままの事実を書いていきましょう。

5W1Hを意識した記録

ヒヤリハット報告書を書くときのポイントは、端的に記入することが必要です。わかりやすいもので言うと、5W1Hを意識して書くと良いでしょう。

誰が見ても状況が理解できる、客観的で分かりやすい文章を以下のポイントを押さえて書いていきます。

【5W1Hの参考例】
  • (いつ:When)→令和5年9月1日(金)16:30 場所
  • (どこで:Where)→居室トイレ 対象者
  • (誰が:Who)→田中幸子様  発生分類 転倒しそうになった
  • (どうして:Why)→フロアとトイレの段差でつまずきそうになった
  • (どのようにしていくか:How)→フロアとトイレの間に、胸の高さの手すりをつけ、入居者が足のバランスを事前に取れるようにする

ポイントを意識して書いていくと書きやすいのでおすすめです。

専門用語の過度な利用を避ける

ヒヤリハット報告書は事故が起きたときに、入居者のご家族に見せることもあります。

例えば「リハパン」と書かずに「リハビリパンツ」と正式名称で記すなど、専門用語や略語は避け、医療業界や介護業界の関係ではない方にもわかる丁寧な言葉で書くといいでしょう。


参考サイト:レバウェル介護(https://job.kiracare.jp/note/article/1883/、https://job.kiracare.jp/note/article/1217/)/けあタスケル(https://caretasukeru.com/certification-training/practical-skills-training/4060/)/日本ケアコミュニケーションズ(https://www.care-com.co.jp/usefulinfo/chishiki_02/)/三菱電機デジタルイノベーション(https://www.mdsol.co.jp/column/column_124_2518.html)/明治安田グループ(https://www.my-kaigo.com/pub/carers/risk/hiyari-shoninsha/0020.html)/あなぶきの介護(https://www.a-living.jp/contents/3214/)/現場改善ラボ(https://tebiki.jp/genba/useful/near-miss-accident/)/厚生労働省(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/hiyari/02.html)

まとめ

ヒヤリハット報告書は、大きな事故を未然に防ぐために存在します。 書類を記載することは、他の現場で起こるかも知れない事故を無くすための行動ともいえます。
事業所の介護をより質の良いものにしていくため、ぜひ前向きに作成に取り組んでみてください。

Care-wingなら、リアルタイムで利用者に関する記録を写真付きで残せるため、詳細に情報共有ができます。
日頃から事故を防ぐための対策を検討できる体制がつくれるため、事業所内での情報連携にも役立ちます。

チーム内の情報共有や業務効率化に興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。




【ライター】〈介護×終活ライター〉かきざき
執筆実績は400記事以上。
介護歴14年の現役介護士が、介護と終活の記事を、わかりやすく執筆します。
〈得意な執筆ジャンル〉介護、終活、遺品整理、葬式、リユース
〈保有資格〉介護福祉士、終活ガイド1級

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