訪問介護向け!令和8年度処遇改善加算について、すぐに確認したいQ&A②
臨時の報酬改定により、新しい要件に合わせた処遇改善加算の申請を進める方など、新たに取得をご検討されている方も多くいらっしゃるかと思います。
前回に引き続き、今回は厚生労働省のQ&Aより、「各種要件」について分かりやすくまとめました。
申請のご準備にぜひご参考にしてください。
【月額賃金改善要件】
「基本給等以外の手当又は一時金により行っている賃金改善の一部を減額し、その分を基本給等に付け替えることで、本要件を満たすこととして差し支えない」としていますが、一部の職員の収入が減額されるような付け替えは可能でしょうか?
事業所における賃金水準や個々の職員の賃金額は、本来、労働協約や就業規則に基づき労使間の協議を経て設定されるべきものです。そのため、処遇改善加算の配分を行う際には、月額賃金改善要件を適切に満たすことはもちろん、配分によって事業所全体のみならず、個々の職員の賃金水準が低下してしまうことがないよう十分に努める必要があります。
【キャリアパス要件Ⅰ~Ⅲ】
キャリアパス要件Ⅱで「職員と意見を交換しながら」とありますが、どのような手法が考えられますか?
職員の意見を広く取り入れるため、対面での対話や労働組合との協議、さらにはメール等を活用した意見募集など、多様な手段を組み合わせて、可能な限り多くの職員の声に耳を傾ける機会を設けることが望まれます。キャリアパス要件Ⅱの「資質向上のための目標」とはどのようなものが考えられますか?
「資質向上のための目標」については、事業者がそれぞれの運営状況や職員のキャリア志向を十分に考慮したうえで、適切に設定する必要があります。目標の具体例としては、
- 利用者のニーズに応じた良質なサービスを提供するために、職員が技術・能力の向上に努める (例: 介護技術、コミュニケーション能力、協調性、問題解決能力、マネジメント能力等)
- 介護福祉士等の資格取得率を事業所全体として高める (例:介護福祉士、介護職員基礎研修、訪問介護員研修等)
キャリアパス要件Ⅲの昇給の方式については、手当や賞与によるものでもよいですか?
キャリアパス要件Ⅲを満たすための昇給の仕組みについては、基本給を引き上げる形での賃金改善が望ましいとされていますが、それに限定されるものではなく、手当や賞与などを含めた多様な方法で実施することも認められています。非常勤職員や派遣職員はキャリアパス要件Ⅲによる昇給の仕組みの対象となりますか?
キャリアパス要件Ⅲに基づく昇給の仕組みは、非常勤職員を含む、事業所や法人に雇用されているすべての介護職員を対象とする必要があります。また、派遣労働者についても、派遣元と協議を行うことで処遇改善加算の対象とすることが可能であり、その際は派遣料金の値上げ分などを賃金改善に充てることができます。
この場合、計画書や実績報告書に派遣労働者を含めて作成する必要があるほか、キャリアパス要件Ⅲを満たす場合には、派遣元においても当該派遣職員に対する同様の昇給制度が整備されていることが求められます。
【キャリアパス要件Ⅳ】
処遇改善加算による賃金改善後の年収が440万円以上かを判断するにあたっての賃金に含める範囲はどこまでですか?
「処遇改善後の賃金が440万円以上」かどうかの判定にあたっては、各種手当等を含めた合計額を用いることとします。ただし、この基準となる440万円には、社会保険料の事業主負担分などの法定福利費は含まれないことに留意してください。
処遇改善加算については、法人単位の申請が可能とされていますが、キャリアパス要件Ⅳについても法人単位での取扱いが認められますか?
法人単位で処遇改善加算を申請する場合、「年額440万円以上」の要件を満たす職員の配置は、申請する全事業所の合計数と同等以上の人数を法人全体で確保できていれば問題ありません。この場合、すべての事業所に要件を満たす職員を配置する必要はなく、法人全体で必要な総数を満たせば要件を満たすこととなります。
また、一部の事業所において要件を満たす職員の設定が困難な場合には、処遇改善計画書にその合理的理由を記載することで、当該事業所を算定人数から除外することが可能です。
キャリアパス要件Ⅳを満たす職員は、経験・技能のある介護職員である必要はありますか?
経験・技能のある介護職員」については、勤続10年以上の介護福祉士を基本としつつも、各事業所の裁量によって柔軟に設定することが可能です。例えば、小規模事業所で介護福祉士が不在の場合には、資格を有しない職員を対象とすることも認められています。
また、「勤続10年」の基準については、同一法人内の経験だけでなく他法人や医療機関等での経歴を通算できるほか、各事業所内の能力評価や等級システムを活用することで、勤続年数が10年に満たない職員であっても、その業務や技能を勘案して対象に含めることができます。
【キャリアパス要件Ⅴ】
要件を満たさない状態が3か月間以上継続しなければ変更届出が不要な場合には、喀痰吸引を必要とする利用者の割合以外に、どのような要件が含まれますか?
入居継続支援加算および日常生活継続支援加算には、喀痰吸引を必要とする利用者の割合に関する共通の要件に加え、日常生活継続支援加算には新規入所者の要介護度や認知症日常生活自立度に係る要件が定められています。これらの要件を満たせずに当該加算を算定できない場合であっても、その状態が3か月以上継続しない限りは、キャリアパス要件Ⅴを継続して満たしているものとして取り扱うことが認められています。
【職場環境等要件】
各項目について、それぞれの項目を満たすために、項目内に列挙されている取組の全てを満たさなければならないのでしょうか?
各項目については、列挙されている取組の中から少なくとも一つを実施すれば要件を満たしたものとして取り扱われます。例えば、「入職促進に向けた取組」という区分の中にある「事業者の共同による採用・人事ローテーション・研修のための制度構築」といった項目であっても、その中の「事業者の共同による採用」のみを実施するだけで、当該要件を満たすことが可能です。
両立支援・多様な働き方の推進」の区分において、「有給休暇が取得しやすい環境の整備」とありますが、具体的な取組事例はありますか?
有給休暇の取得を促進するための環境づくりとして、具体的な目標を設定したうえで、取得状況を定期的に確認し、上司が積極的に声かけを行うといった工夫が挙げられます。(例:1週間以上の休暇を年に●回取得、付与日数のうち●%以上を取得)
また、業務の属人化や負担の偏りを解消するために、情報の共有や複数担当制の導入などを図ることも重要な取り組みとして想定されています。
引用:厚生労働省老健局老人保健課 「「介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第1版)」の送付について 」より抜粋
まとめ
今回は、各種要件について紹介しました。介護事業所における「処遇改善加算」の取得・維持は、単に賃金を上げるだけでなく、「長く働き続けられる環境づくり(キャリアパス要件・職場環境等要件)」をいかに具体化するかが鍵となります。
そのためには、業務効率化によって職員の負担を軽減し、そこで捻出した時間で処遇改善加算の要件に取り組むことが重要です。 より働きやすい環境を整えることは、利用者のサービス品質を維持する上でも不可欠となっています。
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