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【介護のDX化 事例5選】DX化を具体的にイメージしよう

DXとは、デジタルトランスフォーメーションの略称で、“デジタル技術を活用して社会をよりよい環境へ変化させる”ことを提唱した概念です。

要介護者が急増している高齢社会の今、介護業界では人員不足が問題視されていますが、DX化は介護業界が抱える課題を解決に導くと期待されており、国やあらゆる法人が介護のDX化に向けて動きはじめています。

今回は、介護事業所がDX化することで得られるメリットと、実際にDX化に取り組む事業所の事例をご紹介。介護のDX化がもたらすメリットを具体的に確認していきましょう。

介護業界がDX化に取り組むべき理由やメリット

介護業界はさまざまな問題を抱えていますが、IT技術が加速している現代だからこそ懸念されている問題点もあります。

DX化に取り組むべき理由とメリットをご紹介します。

DX化できないことで経営に差が生じる

日本や世界全体で起こりうる問題として注目されていることが「2025年の崖」。2025年の崖とは、ITテクノロジーを活用せずに業務を遂行する法人は、DX化に向けてITテクノロジーを活用している法人と比べて収益に差が出るというものです。

その原因は、既存のシステムが複雑化して具体的な構造がわからなくなってしまうことでシステムが“ブラックボックス化”し、デジタル化の推進が停滞してしまうという懸念がされています。

ITテクノロジーを活用する企業に後れをとることのないよう、DX化は日本のみならず世界全体の企業が考えるべき問題として注視されています。

感染予防になる

高齢者が何らかの感染症にかかった場合、若者よりも重篤化しやすい傾向にあります。デジタル化を推進して濃厚接触を減らすことにより高齢者の健康を維持できるため、介護業界では感染予防の観点からも、DX化においては大きなメリットがあるといえます。

業務の効率化が図れて職員の負担が軽減する

すでに高齢社会に突入している日本ですが、2025年には団魂世代が後期高齢者に達するため、今まで以上に介護のニーズは高まることが予想されています。

介護現場にITテクノロジーを導入することで、業務態勢を変えることができるため、生産性の向上や業務の効率化が図れ、職員の負担を軽減することができると期待されています。

介護のDX化を進めている事業所の事例5選

事例を通してDX化することへのメリットを確認していきましょう。

1.働きやすい職場環境を実現した社会福祉法人北養会様

社会福祉法人北養会様では、訪問介護以外にも複数のサービス事業を展開しており、すでに何種類かの介護ソフトを活用していたそうです。

しかし、DX化の前までは、シフト作成から給与計算、実績と予定の照合、特定項目の加算など、毎月さまざまな事務作業に時間をとられ、残業することが当たり前のような働き方でした。

総合事業を開始するタイミングで一括管理できるシステムを導入したことで、事務作業にかける時間を大幅にカットすることに成功し、残業する必要性をなくすことができています。システムを活用することで引継ぎも効率よく行えるようになり、子育てと仕事の両立がしやすいような働きやすい環境が実現しています。

2.ペーパーレス化によって業務の可視化に成功した株式会社おかげ様

手書きで介護記録をとっていた株式会社おかげ様では、提出する書類の作成や記録の管理など、煩雑な事務作業に毎日残業をしなくてはならない状況だったそうです。

訪問ケアの予定や実績との確認がしづらく、漏れも発生しやすくなってしまったため、DX化のためのシステムを導入しました。

ペーパーレス化が実現できたことで、用紙代や印刷代が不要になり、年間150万円を超えるコストのカットに成功しています。

また、システムを通してリアルタイムな状況を把握できるため、業務の可視化も実現。ケア抜け通知の活用によって、課題となっていたケア漏れも防ぐことができています。

離れた場所でも業務を可視化できるため、現場の職員の意識も向上し、ケアの品質にもつながっているそうです。導入時には60代の職員からシステムに対する不安の声があがっていたそうですが、使い勝手のよいシステムを選んだことでDX化へのスムーズな移行に成功しています。

3.密な情報共有により、直行直帰や在宅ワークが実現したすずかぜヘルパーステーション様

毎月多くの訪問介護を行っているすずかぜヘルパーステーション様では、ヒューマンエラーによって生じてしまうケア漏れを問題視し、訪問状況を可視化できるシステムを導入しました。

DX化したことで職員1人1人の勤務予定や訪問状況がリアルタイムで確認できるようになったため、訪問漏れをゼロにすることに成功しています。さらに、現場で働く職員のプロ意識や責任感が向上し、サービスが高品質になったことで問い合わせが急増。新規利用者の依頼にもつながっているそうです。

これまでもメールや電話、チャットツールなどを活用していましたが、DX化のためのシステムは業務内容の詳細にわたるまで連携がとれるため、密な情報共有を実現しています。その結果、直行直帰や在宅ワークが実現し、柔軟さのある働き方に成功しています。

4.スタッフの負担軽減と収益が向上した株式会社エイドネットワーク様

事務作業に多くの時間を要してしまい、残業もヒューマンエラーによるミスも問題となっていた株式会社エイドネットワーク様。現場で働く職員に大きな負担がかかっていました。

システム導入については、スマホなどの機器に慣れていない年代の職員から不安の声があがりましたが、システムの使い勝手を説明するなどチャレンジしやすい環境を作って、システムを導入したそうです

DX化したことにより紙で管理するよりも正確さのある記録を得ることができ、予定と実績の確認作業についても自動で確認できるため、集計する手間や時間の大幅カットに成功しています。

事務作業を簡易化できたことで本来の業務に集中できる環境が作れ、利用者からの信頼性も向上。結果的に利用者の満足にもつながり、利用者が増加して収益も向上しています。

5.環境の整備ができたことで事業拡大に成功した株式会社住宅支援総合ケアサービス様

紙で情報を共有するには転記が必要であったり、誤記入や記入漏れが発生したりすることが懸念ポイントでした。また、多くの時間を要する事務作業に正確さや効率化を図りたいと考え、DX化のためのシステムを導入したそうです。

システムの導入の際には職員への教育を徹底し、社内ルールを設けながら移行しました。

DX化したことで職員同士の連携が充実し、情報不足による不安を解消することに成功しています。また、訪問状況をリアルタイムで把握できるため、適切なシフト組みもできるようになり、働きやすい環境の実現ができているそうです。

また、記録をとるなどの事務作業を簡略化できたため、介護ニーズに合わせた対応を充実させることに成功。システム導入にかかる経費以上にコストカットできる経費があったこともあり、事業の拡大に成功しています。

事例を参考にDX化のためのシステムを導入しよう

既存の業務態勢を見直して、デジタル化を図るDX化は、日本のみならず海外でも活発化しています。

とくに日本の介護業界においては高齢社会が問題となっているため、国も介護業界のDX化には導入支援を行うなど、力を入れて推進を後押ししています。コストをおさえながらDX化のためのシステムを導入できる可能性があることも介護のDX化のポイントです。

事例からもわかるとおり、介護のDX化は介護職員だけではなく、利用者にとっても、経営にとってもメリットがあるものなので、現在の業務を見直してDXを積極的に取り入れていくことがオススメです。

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