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【スムーズな導入へ】介護記録システム導入時の注意点とは

介護サービス利用者のあらゆるデータを簡単に入力できたり、その情報をスタッフ全員がリアルタイムで共有できたりと、業務効率の向上が期待できる介護記録システム。

業務効率が上がることで、職員のモチベーションが向上し、介護サービスの質を高めることにもつながるなど、多大なメリットを得られると注目されています。

しかし、一方で「紙からシステムへの移行はスムーズにいくのか」「情報漏えいの心配はないのか」など、システム導入に対して気になる点があることも事実。実際にシステムを導入しても業務効率化できていないケースもあるため、注意が必要です。

今回は、システム導入前にふまえておくべき注意点をご紹介します。

スムーズな導入を目指すための注意

一口に介護記録システムといっても、今や多くの企業がサービスを展開しています。そのため、使い勝手はそれぞれ異なります。

介護記録ソフトのスムーズな導入を実現し、システム化のメリットを最大化するためにも、導入時の注意点をおさえておくことは重要です。

スムーズな導入を目指すための注意点をみていきましょう。

現場での使い勝手のよさを重視する

介護スタッフは、複数の利用者の介護記録をとることが日常の業務であり、介護サービスを提供する際は移動を伴うことも多くあります。

さらに、操作性がよければ、スタッフはストレスなく記録業務を行えるため、スムーズなシステム移行が期待できます。

その操作性とは、たとえば、以下のとおりです。

  • ボタンを選択するだけで記録が完了する
  • 音声入力や定例文入力に対応している
  • 日々の業務に則した項目が簡潔に整理されている
  • 必要な情報を検索しやすい
  • 外出先からリアルタイムのデータを閲覧できる
  • IDやパスワードの入力の手間が少ない

など

数社のシステムを比較検討し、 “現場の使い勝手のよさ”を確かめてから採用できるとスムーズな移行が期待できます。

システム化することはコスト面でもメリットが生じることもあるため、導入する費用だけに注目して判断するのは注意が必要です。

自社に合った製品選びを行う

介護記録システムは、どの製品も業務効率が図れる設計で展開しています。

ただし、各事業所によって適した製品は異なるため、「この事業所ではスムーズな導入ができているから、自社もこれにしよう」という選び方には注意が必要です。

まず、介護記録システムにはクラウド型パッケージ型の2種類があります。

クラウド型はシンプルな使い勝手や使いやすさがあり、初期費用や月額利用料を低コストにおさえながら運用できる魅力があり、システムのアップデートも自動で行ってくれるタイプで、パッケージ型は初期費用が大きくなるものの、長期的にみるとクラウド型よりもランニングコストをおさえられるというタイプです。

一般的にクラウド型は事業所の立ち上げの段階や、小さな規模で事業を行っている事業所に選ばれており、パッケージ型はすでに複数の事業を展開しているなど、大きな規模で展開している事業所に選ばれています。

このように介護記録システムには対応できる機能に幅があるため、まずは自社の改善したいポイントを洗い出し、改善に適した製品選びが重要です。

セキュリティ面にも注目する

介護の現場では、大量の個人情報を日常的に取り扱います。情報漏えいの危険性を考え、厳重なセキュリティ対策を行えるかという点にも注目しましょう。

しっかりとしたセキュリティ対策が備わっているかはもちろんですが、そこで安心してしまうことには注意が必要です。

万が一の場合でも、迅速に対応してくれるサポートやメンテナンス体制が整っているかの確認まで必ず行いましょう。

介護記録システム導入のステップ

介護記録システムのスムーズな移行には、現場で働くスタッフの協力が必要不可欠です。そのため、現場が混乱しないような環境づくりをすることが重要なポイントといえます。現場の混乱を防ぐためのステップをご紹介します。

1.スタッフに導入の目的を伝える

システム化に伴って端末機器の操作に不安を感じるスタッフも少なくはありません。

そのため「システムの操作を学ぶ時間がない」「端末機器に慣れていないから使いこなせる自信がない」など、システム化にネガティブな印象を抱くスタッフもいます。

このような不安を抱えているスタッフにも協力してもらうためには、システム導入時にシステム化するに至った理由や今後のビジョンをしっかりと伝えて理解や協力を求めることが重要です。

2.導入研修を行う

導入時には操作方法はもちろん、困ったときの解決方法なども伝えましょう。

また、研修は導入時だけでなく、導入後にも定期的に手厚いフォローアップを行うことはとても大切です。スムーズなシステム化への移行に、協力を得られるような態勢を整えることが導入には必要です。

3.試行期間を設ける

IT機器の操作が苦手な人にとっては、スマホで文字などを入力すること自体が高いハードルになることが考えられます。

スタッフがシステム導入に抵抗感を抱くことがないように、いきなり全てをデータ化するのではなく「まずは簡単に使える部分だけ使ってみる」ことからスタートすることがポイントです。

時間の経過とともに端末操作に慣れ、余裕が生まれてくれば、少しずつ端末入力の便利さを感じられるようになるでしょう。

また、スタッフ同士で教え合う状況が生まれれば、コミュニケーションが活性化し、普段の業務にもよい影響があることが期待できます。

4.導入後にフォローアップを行う

現場で働くスタッフがしばらく使ってみて初めてわかった問題点や課題に対応するため、導入後1ヶ月を目処にフォローアップ研修を行うことがオススメです。

導入に伴うコストについて理解を深める

介護記録システムの導入には、インターネット環境の整備や端末の準備など、ある程度のコストがかかります。そのため、導入に対して特に懸念するポイントが初期費用ではないでしょうか。

ただし、システムを導入するとペーパーレス化できるため、今まで必要経費だった紙や保管のためのファイルなどを削減できるというコスト面のメリットも生まれます。

また、行政が介護事業向けに介護ソフトやシステム導入の支援をしている「ICT導入支援事業費補助金」の利用をすると、費用をおさえて導入することも可能です。

意見を交換し、より使いやすい内容に改善できれば、システム利用のモチベーションが高まり、業務効率化のスピードアップが期待できます。

注意点をふまえて介護記録システムを導入しよう

介護記録システムを導入すれば、大幅な事務作業の効率化が図れ、時間的にも精神的にも余裕が生まれます。そのため、現場で働く人にとっては大きな助けとなるでしょう。

しかし、導入の注意点をふまえることがスムーズな導入への実現につながるため、今回ご紹介した注意点や導入のポイントをおさえて進めていくことがオススメです。

システム化に成功し、一層働きやすい職場になれば、離職率が下がって経験豊かなスタッフが長く働いてくれることになり、提供するサービスの質が向上することが期待できます。そうなれば、利用者・スタッフ・経営者、全員にとって大きなメリットとなるでしょう。

「介護記録システム導入」という変化が、経営者とスタッフのコミュニケーションを促進し、これまでよりもっと素晴らしい事業所となる機会をもたらすことにつながるかもしれません。

まずは、現在行っている記録業務を見直し、必要なものと不要なものを選別することからはじめていきましょう。

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