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離職防止と人材定着の課題解決!職員のためにできる、働きやすい職場環境づくりのヒント
目次
これまで「2025年問題」として多くの課題が議論されてきた2025年が、ついにやってきました。
これまでの高齢化の問題は、高齢化の進展の「速さ」の問題でしたが、これからは高齢化率の「高さ」(=高齢者数の多さ)の問題が本格化していきます。
令和6年度の報酬改定により、引き続き厳しい事業所も多いかと思いますが、少しでも皆さんの職場改善にお役立ちしたく、今回は「離職防止」「人材定着」にも繋がる「働きやすい職場環境」をテーマに、職場改善のヒントをお届けします。
全国での職場環境改善の取り組みを交えてご説明していきますので、皆さんの課題解決のヒントとなれば幸いです!
また事業所を開業予定の方もぜひ事業所の環境づくりの参考にしていただければと思います。
職場の環境の悩みと採用活動
「人材不足」「賃金や労働条件が合わない」「人間関係が良くない」など、職員の方のストレスやお悩みを耳にすることがあります。 また採用活動についても、1年求人をかけて1人も採用できなかったということも聞くこともあり、サ責さんや管理者さんでお困りの方も多いのではないでしょうか?
これからの事業所に必要なのは、「採用活動」と並行して行う『職場環境の改善』です。
なぜ職場環境の改善が必要かというと、求人応募する人は「働く条件」として、職員の方は「働き続けるための条件」として事業所の環境を見ていくからです。
ではそれを踏まえて、どうすれば職員の方のお悩みは改善されるのでしょうか?
働きやすい職場にするための改善課題は何かを皆で知る
皆さんはどんな職場になると職員の方々は働きやすいと感じるでしょうか?
ただ漠然と、人手不足を改善したい、賃金や労働条件を見直そうと考えていませんでしょうか?
まずは、事業所の現状を理解し、どのように改善したいのか、そのためには何をすべきかを順番に考えてみることで、事業所に今必要な取り組みが見えてくるでしょう。
今回は「輝く女性管理職ネットやまぐち(山口県)」で発表された取り組み案を例にあげてご説明します。
次の項目に合わせて、状況を整理し、職員の方の働きやすい職場のイメージを可視化してみましょう。
取り組み例
- 目的(何のために改善したいか)
- 達成目標(職場がどのようになったら改善したとみなすか)
- 背景(現状の洗い出し)
- 課題(改善が必要なこと)
- 課題解決のための施策(課題解決に向けてやっていくこと)
例)
介護現場において、全職員が働き方や個人の生活を⾒つめ直し、いきいきと働き続けられる職場づくりを推進する
介護現場において、全職員が働き方や個人の生活を⾒つめ直し、いきいきと働き続けられる職場づくりを推進する
例)・働きやすい職場環境づくり
・職員の定着率UP!!
・仕事と家庭の両⽴
・職員の定着率UP!!
・仕事と家庭の両⽴
例)・介護の現場では、多職種が勤務しており年齢層が幅広いため連携が取りにくい
・変則勤務や夜勤があり、家庭との両⽴が難しいため、育児中の人が退職してしまう
・介護の専門性が低く⾒られ低賃⾦であるため、就職希望者が少ない
・人員不⾜が続き、時間外労働が増えるなど、職場環境の悪化から離職率が⾼い
・利⽤者が重度化しており、⼼⾝の負担が⼤きい
・メンタルサポートがないため、ストレスがたまり退職してしまう
・変則勤務や夜勤があり、家庭との両⽴が難しいため、育児中の人が退職してしまう
・介護の専門性が低く⾒られ低賃⾦であるため、就職希望者が少ない
・人員不⾜が続き、時間外労働が増えるなど、職場環境の悪化から離職率が⾼い
・利⽤者が重度化しており、⼼⾝の負担が⼤きい
・メンタルサポートがないため、ストレスがたまり退職してしまう
例)・勤務時間の工夫
・賃⾦・処遇の改善
・職員の資質の向上
・多職種間の連携強化
・メンタルサポート
・育児休業復帰後の支援
・地域格差の問題
・賃⾦・処遇の改善
・職員の資質の向上
・多職種間の連携強化
・メンタルサポート
・育児休業復帰後の支援
・地域格差の問題
例)①定着率UPのために
⇒勤務時間の工夫・賃⾦の⾒直し・福利厚生の充実
②育児支援のために
⇒育休復帰支援プログラム・勤務時間の工夫
③メンタルヘルス
⇒相談体制整備・職員研修制度・メンター制度
④地域のボランティア参画
⇒傾聴・環境美化・⾏事への参加
⇒勤務時間の工夫・賃⾦の⾒直し・福利厚生の充実
②育児支援のために
⇒育休復帰支援プログラム・勤務時間の工夫
③メンタルヘルス
⇒相談体制整備・職員研修制度・メンター制度
④地域のボランティア参画
⇒傾聴・環境美化・⾏事への参加
上記のように現状を把握し、課題を明確にすることで、ご自身の事業所に必要な取り組みが見えてくると思います。
また、事業所全体で目標や取り組みを共有し、共通認識を持つことや、職員と協力して解決に取り組むことも重要です。
これにより、モチベーションも向上し、より業務が進めやすくなるでしょう。
また、弊社では人材不足解消のヒントをまとめた資料を配布しています。ぜひご参考にしてください。
「介護職員の働きやすい環境づくり」から見える職場づくりのヒント
厚労省では、職員の待遇改善、人材育成及び介護現場の生産性向上への取組が特に優れた介護事業者を表彰し、その功績をたたえ、広く紹介することを通じ、介護職員の働く環境改善を推進することを目的として、令和5年度より、「介護職員の働きやすい職場環境づくり内閣総理大臣表彰」「介護職員の働きやすい職場環境づくり厚生労働大臣表彰」を実施しています。
主に特養や施設系の受賞が多いですが、直近では訪問介護でも受賞実績があるなど、積極的な職場改善への取り組みをされている事業所が増えています。 ここでは受賞した事業所の取り組みの一部をご紹介します。
ご自身の事業所でも取り入れられるものがあれば是非参考にしてみてください。
取り組みについてご紹介
- 令和6年度厚生労働大臣表彰 奨励賞 長野県 介護老人福祉施設A
人材育成に係る取組
・法人グループ内で研修制度があり、等級別、世代別、専門知識別で学びの機会を設けている。
・人事制度(キャリアパス)を導入し、年2回の個別面談を実施。
課題の抽出や目標の進捗確認から悩み事の相談など、働きやすい環境づくりに努めている。
・資格取得費用の免除制度あり。(直運営の学校法人で資格取得しやすい環境にある)
成果
・年2回の面談により悩み等を相談することで、職員のフラストレーションの軽減が図られ、職務遂行意欲が高まっている。
・自主性・積極性のある職員が育ってきた。
- 令和6年度厚生労働大臣表彰 奨励賞 長野県 介護老人福祉施設B
人材育成に係る取組
・課題抽出のためのアンケートを実施。課題は「過去に導入した介護記録ソフトが使いこなせていないこと」であった。最も業務負担感が高かった入所業務での介護記録ソフト活用から取り組むこととし、PCスキルのある職員を集め「介護記録ソフト操作研修チーム」を立ち上げた。
「利用者をケア内容ごとにグループ化し記録を効率化」「紙から転記していた食事記録を直接介護記録ソフトに入力」など小さな課題から取り組む。
・介護ロボット・ICT機器への理解を深めるため、見守りセンサーの試用や施設見学を実施。
その結果、活動に賛同する職員が増え、特に若い職員から業務改善アイデアや意見が集まるようになった。
成果
・業務負担を感じる職員の割合の減少
85.0%(2023.12)→70.6%(2024.3)
- 令和5年度厚生労働大臣表彰 奨励賞 静岡県 介護老人福祉施設C
人生のそれぞれのライフステージに寄り添った「働きやすい職場づくり」「1時間単位有給休暇制度」「育児・介護休業制度の情報提供と利用の勧め」「個別面談の充実」等支援を充実させ、育児・介護など、職員があらゆるライフステージでも、継続して働き続けることができる職場環境づくりを目指している。
取組の概要・特徴
モチベーション向上や公私ともに充実した真のワークライフバランスの実現を目指している。
「確かな知識や手技の獲得」と、入所者様に一番近い存在である介護職員の「意見聴取・反映」を両輪で実施することで、創造的な介護が実現できる仕組みができつつある。
表彰までの3つの要件
上記の表彰には要件があり、以下の3つのいずれかに該当する取組が表彰の対象となります。
- 待遇改善 事業所の賃金、休暇等に係る事業所内の各種制度の整備等により、職員の待遇改善につながっている取組
- 人材育成 職員の採用時からの計画的な研修実施やキャリアパスの明示、資格取得に対する支援制度の確立等により、職員の人材育成につながっている取組
- 生産性向上 介護テクノロジーの活用等により、事業所における業務課題を解決し、職員の業務負担の軽減や提供サービスの質の確保等の介護現場の生産性向上につながっている取組
つまり、受賞歴のある事業所では、「業務効率化(生産性向上)」「人材育成」「働き方の工夫(待遇改善)」がされており、職員のストレスを減らすような取り組みを行うことで、長く働ける環境づくりに繋げているようです。
また業務効率の向上や職員の資格取得により、サービスの質を改善することができ利用者満足へも繋がっていきます。
<引用・参照>
長野県「介護職員の働きやすい職場環境づくり内閣総理大臣及び厚生労働大臣表彰について」ー「表彰事業者の取組概要」資料
(https://www.pref.nagano.lg.jp/kaigo-shien/jinzai/documents/jigyousyogaiyou.pdf)
静岡県「令和5年度静岡県優良介護事業所表彰表彰受賞事業所の取組」ー「取組事例集」資料
(https://www.pref.shizuoka.jp/kenkofukushi/koreifukushi/kaigohoken/1040742/1002953/1059521.html)
働きやすい職場環境をつくり、まずは今いる人たちと一緒に人手不足を乗り越える
今回のコラムでお伝えしたかったことは、「業務効率化」が職員の方の「働きやすさ」「気持ちの余裕」に繋がっていくということでした。
例えば、厚労省から積極的にICT化が進められている背景には、人手不足の解消だけでなく、「人にしかできないことがある」から、職員の方には利用者と向き合う時間を確保して欲しいというメッセージが込められていると思います。
弊社のCare-wingは業務効率化することで、職員の方々が利用者やサービスと向き合う時間を確保できるようになるだけではなく、処遇の改善にも繋がる特定事業所加算の取得や取得後の運用・処遇改善加算の職場環境要件にも役立てていただいています。
まずは、事業所の『職場環境の改善』の為にも、Care-wingがどんなサービスか知ってもらえたら幸いです。
無料の資料も配布していますので、お気軽にご請求ください。