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【最新】3つの処遇改善加算が一本化!?今後の方向性について

全世代型社会保障構築本部から、処遇改善加算についての今後の方針が発表されました。

「全世代型社会保障構築本部」とは?

全世代型社会保障構築本部のホームページには、設置について下記のような記載があります。

全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築する観点から企画及び立案並びに総合調整を行うため、全世代型社会保障構築本部を開催します。

ご存じの通り、日本はこれから超少子高齢化社会へと突入していきます。
これに対応すべく、全ての世代において社会保障制度がしっかりと機能するように、今の内から将来に向けた議論や取り組みを行う為に設置された本部といえるでしょう。

処遇改善加算の現状と課題

今回は、この中でも取り上げられている「処遇改善加算」にテーマを絞って今わかっていることを解説していきます。

処遇改善加算の現状


「処遇改善加算」と呼ばれる加算は現在3種類の加算が存在します。
  1. 介護職員処遇改善加算
  2. 介護職員等特定処遇改善加算
  3. 介護職員等ベースアップ等支援加算

厚労省によると、この3つの加算により、介護に従事する人たちの賃金が月平均で7万5000円程度上がったという報告がされています。


ですが、これらの加算を算定するには多くの課題が存在しており、それが結果として事業所の仕事を増やしてしまっているという事実も報告されています。

処遇改善加算の運用上の課題

上記の加算を算定するにあたって、事業所からは具体的に下記の様な声が寄せられています。

  • 複雑な計算
  • 曖昧なルールによる事業所ごとの職員への分配方法へのばらつき
  • 複雑な要件による業務量の増加
  • それぞれの加算ごとに提出する計画書や実績報告書の作成

など…
これでは賃金が上がったとしても現場の負担が増えてしまい、積極的にこの加算を算定しようという気持ちにはなかなかなれませんよね。
行政へ問い合わせても、全てに対して明確な答えが返ってくるわけでもなく、自分たちのやり方が正しいのかどうかも迷ってしまうというのが現実です。

今後についての決定事項

全世代型社会保障構築本部では、この3種類の処遇改善加算を1本化するなど、いくつかの運用上の課題の見直しを進めることが決定しました。

処遇改善加算の見直し内容

大きな目的は「現場で働く介護職員の勤務環境の改善(残業の縮減や給与改善など)」ですが、これを実現するためにいくつかの見直しを検討することが決まりました。
具体的な内容は以下の通りです。

  • 3つの加算の加算制度の一本化
  • 「職場環境等の要件」について、生産性の観点から見直す
  • 事務負担削減のため、事務手続きや添付書類の簡素化を進める
  • 本加算の取得率を改善する為、加算未取得の事業所に対し、社労士等による個別相談等の実施

など
以上です。

これらの見直しを実施することによって、介護職員の賃金の底上げにつなげ、今後の介護業界における人材確保に結び付けることが必須でしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回のこの発表は少なからず介護事業者の皆さんにとって明るいニュースになったのではないでしょうか。

また、この全世代型社会保障構築本部での議論の中に、「テクノロジーの導入促進と業務効率化」というテーマも取り上げられています。


詳しくは下記の記事をご覧ください。

来年度からこの議論はより具体的に進んでいきますので、今後もしっかりとチェックしていきましょう。

【参考】
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/zensedai_shakaihosho_kochiku/index.html

http://www.kaigo-center.or.jp/report/2021r01_chousa_01.html

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