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【訪問ヘルパー必見】寒い時期を乗り切る!感染症予防と免疫力を高める食事の基本


秋から冬にかけて、気温や湿度が急激に変化し、体調を崩しやすい季節がやってきました。訪問介護事業所にとって、この時期は特に注意が必要です。

利用者様の多くは高齢で免疫力が低下しており、感染症に罹患すると重症化するリスクが高まります。
また、ヘルパー自身が体調を崩せば、必要なケアを提供できなくなり、利用者様の日常生活に大きな影響を与えてしまいます。

本コラムでは、これからの時期に訪問介護事業所が徹底すべき感染症対策と、免疫力を高めるための栄養管理のヒントについて解説していきます。



訪問介護における感染症対策の基本


訪問介護では、ヘルパーが一人で利用者様宅を訪問するため、一つひとつの行動が感染予防に直結します。
訪問介護における感染予防の最も基本的かつ重要な対策が、手洗い・うがい・手指消毒です。
「いつも気をつけているから大丈夫」と思わず、改めて基本を確認しましょう。

訪問前の対応

事業所を出発する前、または利用者様宅に到着した直後に、必ず手洗いまたは手指消毒を行いましょう。
前の訪問先から病原体を持ち込まないための第一の防波堤となります。

利用者様宅に手洗い場がある場合は、流水と石けんで30秒以上かけて丁寧に洗います。
指の間、爪の間、手首まで忘れずに洗いましょう。

訪問後の対応

ケア終了後も同様に、手洗いまたは手指消毒を徹底します。利用者様から次の訪問先への感染拡大を防ぐためです。
訪問介護は複数の利用者様宅を回るため、この「出入り時の手指衛生」が感染予防の要となります。

うがいの実施

事業所に戻った際や休憩時には、うがいも実施しましょう。
のどに付着したウイルスや細菌を洗い流すことで、自分自身の感染予防にもつながります。

マスクの適切な着用

マスクの着用は、ヘルパー自身を守るだけでなく、利用者様への感染リスクを減らす重要な対策です。
訪問時は常にマスクを着用し、鼻と口をしっかり覆うことを心がけましょう。
マスクを外す際は、表面に触れないよう耳のゴム部分を持って外し、すぐに廃棄または専用の袋に入れて保管します。

利用者様宅での適切な換気

冬場は暖房のため窓を閉め切りがちですが、密閉された空間では空気中のウイルスや細菌の濃度が高まります。
訪問時には、利用者様の了承を得た上で定期的な換気を心がけましょう。1時間に1回、5〜10分程度の換気が理想です。

ただし、利用者様が寒さに敏感な場合は、暖房の効いた部屋と換気する部屋を分けたり、換気のタイミングを工夫したりするなど、利用者様の快適さと感染予防のバランスを取ることが大切です。

参考:厚生労働省老健局「介護現場における感染対策の手引き 第3版」令和5年9月

ヘルパー自身の体調管理と早期報告


訪問介護では、ヘルパー一人ひとりが「感染源にならない」という意識を持つことが極めて重要です。

毎朝の体調チェック

出勤前に必ず検温を行い、発熱や咳、のどの痛み、倦怠感などの症状がないか確認しましょう。
少しでも体調に異変を感じた場合は、無理をせず事業所に報告します。

早期報告の重要性

「これくらいなら大丈夫」「人手が足りないから休めない」という思いから無理をして訪問すると、複数の利用者様に感染を広げてしまう危険性があります。 体調不良時の早期報告は、利用者様を守るための責任ある行動です。
事業所も、ヘルパーが安心して休める体制を整えることが求められます。

日常生活での予防

十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動など、日頃から免疫力を高める生活習慣を心がけましょう。
ヘルパー自身が健康であることが、質の高いケアの前提となります。


免疫力を高める栄養素


感染症予防は、外からの病原体をブロックするだけでなく、体内の免疫システムを強化することも重要です。
訪問介護では、調理や食事介助を通じて利用者様の栄養状態をサポートできます。



タンパク質

免疫細胞の材料となる最も重要な栄養素です。
肉類、魚類、卵、大豆製品など、良質なタンパク質を毎食取り入れることを意識しましょう。
高齢者は食事量が減りがちですが、少量でも効率よくタンパク質を摂取できるよう、卵豆腐や茶碗蒸し、プロテイン入りのスープなど、食べやすい形での提供を工夫します。

ビタミンA

皮膚や粘膜を健康に保ち、ウイルスの侵入を防ぐ働きがあります。
にんじん、かぼちゃ、ほうれん草などの緑黄色野菜に豊富に含まれています。

ビタミンC

免疫細胞の働きを活性化させる栄養素です。
みかん、キウイ、いちご、ブロッコリーなどに多く含まれています。
ビタミンCは水に溶けやすく熱に弱いため、生で食べられるものは生で、加熱する場合は短時間でサッと調理するのがポイントです。

ビタミンE

抗酸化作用が強く、免疫機能を正常に保つ働きがあります。
アーモンドなどのナッツ類、かぼちゃ、アボカドなどに含まれています。

亜鉛

免疫細胞の活性化に欠かせないミネラルです。
牡蠣、レバー、牛肉、納豆などに多く含まれています。

参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」/公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット」

旬の食材を活用する





旬の食材は栄養価が高く、価格も手頃で、季節感を楽しむことができます。
以下では、秋から冬にかけて旬の食材をご紹介します。

根菜類

大根、ごぼう、れんこん、さつまいもなどの根菜類は、体を温める作用があり、食物繊維も豊富です。
煮物や豚汁、けんちん汁などにすると、複数の食材を一度に摂取でき、温かい料理で体も温まります。

柑橘類

みかん、ゆず、きんかんなどの柑橘類は、ビタミンCが豊富で、香りにもリラックス効果があります。
デザートとして提供したり、料理のアクセントに使ったりすることで、食事の楽しみも広がります。

鍋料理の活用

白菜、ねぎ、きのこ類など、秋冬が旬の食材を使った鍋料理は、栄養バランスが良く、消化にも優しいため高齢者に最適です。
また、調理も比較的簡単で、温かい食事を提供できます。

まとめ


これからの時期の訪問介護では、感染症対策と栄養管理は切り離すことのできない重要な要素です。

基本的な感染症対策は、ヘルパーと利用者様双方を守る第一の防御線となります。
また、免疫力を高める栄養管理は、体の内側から感染症に対抗する力を育てます。

感染症を防ぐことで、急な訪問調整や人手不足といった事業所全体の混乱を避けることができるため、利用者様の安全を守るだけでなく、ヘルパーの負担軽減にもつながるでしょう。

弊社のサービス「Care-wing(ケアウイング)」は、日々のバイタルチェックや体調の変化、食事や水分補給の記録などを簡単に入力・管理することができます。
事業所内の情報共有ツールとしても役立ちますので、ご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にお問い合わせください。





<ライター> 宮田 浩行
介護福祉士7年、看護師8年、計15年以上の医療福祉経験を持つ専門家。 介護老人保健施設、看護小規模多機能、訪問看護、有料老人ホームでの勤務を経て、現在は医療福祉分野のライターとして活動。 介護と看護の両資格を活かした現場目線の分かりやすい記事で、医療福祉従事者の課題解決と質の高いケアの実践に貢献。

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