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【訪問介護事業所】新規事業所開業のポイントと流れ

今回は訪問介護事業所の開業を検討している方に向けて、開業するためのポイントをご紹介します。

3つのプロセスと3つの基準

介護事業所の開業にはおおまかに、下記の3つによって構成されています。

① 法人設立

② 指定申請

③ 資金調達

また「指定申請」には下記3つの基準を必ず満たす必要があります。

・運営基準

・設備基準

・人員(配置)基準

指定申請後は更に具体的な業務構築や利用者の獲得など、事業所運営の為の準備が必要となります。

① 法人設立

介護事業所を設立する為には、まず法人を設立することが必要です。
また、法人設立には法人名の他に下記の内容を決定する必要があります

・法人名/事業所名の決定

・営業時間、サービス提供時間の決定

・営業開始日の設定

② 指定申請

介護保険のサービスの中でどれを事業とするのか、事業の開始時期、サービス提供の地域などを検討し決定します。(損益計画、資金計画など)

■人員基準
介護施設において「適切な介護・医療」を提供する為に、一定数以上の専門資格を有した人材の配置(医師・介護士・看護師など)を義務付けた制度

■設備基準
運営を行う為に必要な事務所スペースや設備、備品を揃えるように義務付けた制度

■運営基準
該当の介護サービスを提供するにあたって適切な運営規則を整備し、顧客の個人情報に配慮した運営体制を義務付けた制度

③資金調達

事業を経営するための資金をどのように集めるかは、開業準備期間を通して考える必要があります。
また開業する介護施設によって、開業に必要な費用は大きく異なります。

調達方法例)
  • 自己資金/ 身内や知人からの融資
  • 金融機関から借り入れ
  • 助成金/ 補助金の活用 など


業務構築準備

事業運営の中には実際どんな業務があるのか、想定される業務を洗いだし、
役割など「業務の見える化」をすることで、事業開始後の事業運営に大きく差が出るかと思います。

例えば、管理者業務の例として
「人事労務」として管理シフト作成や給与管理、「運営管理」として介護ソフトのデータ管理、インシデント対応、
「設備・備品管理」として建物管理、衛生管理、感染予防・対策などが挙げられるかと思います。

また管理者業務に紐づく業務の例としても、利用者の契約前後の業務や、週次・月次・年次の業務があるかと思います。
このような業務をリストアップすることで、年間を通しての業務の全体が「見える化」できるようになり、
人の配置や自らの業務を組み立てやすくなる
ため、とても重要な準備(ポイント)と言えるでしょう。

営業活動準備

業務開始=介護サービスを提供するということは、実際のサービス提供に加えて、
利用者記録などの帳票、伝票類、申請書類、保険請求書類の作成・管理等の処理が必要になってきます。

近年国が進めるICT化の流れによって、記録や請求のシステムを使う事業者が急激に増えています。
システムを使用することで、人件費や雑費を抑えられるだけでなく、業務の効率化や業務連携や管理を適切に行えるという
メリットもあります。

利用者獲得へ向けての営業活動の準備も必要です。意外と忘れがちなこれらの準備も出来るだけ早めに着手し、
事業開始に備えましょう。


営業活動の為に準備したいもの例)
  • 名刺
  • メールアドレス
  • チラシ・パンフレット
  • 法人、事業所のHPやSNSアカウントなど

事業所開設の最初がその後の業務に大きく影響する

法人設立の準備の段階で、どのような事業所にしていくかビジョンを広げていくかと思いますが、
今後の業界や世間の動きを視野にいれながら、事業運営の初期の段階から業務効率を考え、
業務や環境の整備をしていくことが重要
となりそうです。

介護業界のICT化はここ数年で一気に加速し、開業直後からシステム検討をする方も増えています。
現に、管理者・サービス提供責任者が業務が多く疲弊してしまい、システムを検討する事例も少なくありません。
また利用者が増え、業務が増加してからの導入では事業所自体の体力が持たない可能性が大いにあります。
そういった状況を見越した、検討が必要でしょう。

例えば、初めから記録用紙を使わない運用をすることで、用紙の回収や確認の負担を軽減させることができ、
経費を削減することができます。

システム導入をご検討される際は、予算(利用料)も重要なポイントではありますが、
想定される業務を事前に業務効率化できるようなシステムを検討することが重要
になります。

安くても使いづらい、機能が足らないとなる前に、どんな機能が必要かをピックアップして、「業務の見える化」を図りながら、
開業に向けた準備をしていきましょう。

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