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【介護×DX】DXの基本知識をおさえよう!
近年DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉をよく見かけるようになりました。DXはめまぐるしく変化する消費者の行動に対応するため、デジタル技術を活用してビジネスモデルを抜本的に変革していこうという取り組みです。
今やあらゆる企業が避けては通れないといわれている取り組みですが、介護業界も例外ではありません。今回はDXについての基礎知識をご紹介します。
DXとは?
DXとはデジタルトランスフォーメーションの略です。データとIT技術を活用して製品やサービス、ビジネスモデルに変革を起こし優位性のある事業を目指していく取り組みで、経済産業省が推進しています。
ITやデジタルが身近になった現代だからこそDXには大きなメリットが多数あり、取り組まなければ今後多大な損失が生じるだろうともいわれている重要なテーマでもあります。
たとえば、以前の消費者は音楽を聴くとするとCDやラジオなどで聴くことが当たり前でしたが、今ではネット上で楽曲を購入したり、SNSやサブスクリプションを利用して配信を聴いたりすることが一般的になってきました。
消費者行動に変化が生まれているのに関わらず、従来の方法をし続けていたら、売上が下がる一方になるのは目に見えていますね。
どの業界でもこのような変化に対応していくことは求められていて、あらゆる企業がDXへの取り組みを重要視しています。
ただし、パソコンやスマホなどのデバイスを導入するだけではDXと呼べません。データやテクノロジーを活用してビジネスモデルや商品・サービスを変革することがDXのポイントです。
介護業界でDXを取り入れると
あらゆる業界に必要とされているDXの取り組みですが、介護業界にDXを取り入れると、どのような変化が期待できるでしょうか。ここでは介護業界にDXが必要な理由についてご紹介します。
情報共有が充実してチームワークが強固になる
介護業界の情報共有といえば、介護記録を紙に記載したり、電話や直接会っての引き継ぎなど時間をかけて行ったりすることが一般的です。
システムを取り入れて介護記録をデジタル化し、チャットなどで伝達ができれば、わざわざ作業を中断する必要もなく、必要なときに必要な情報を確認することができます。
システムを活用すれば、イラストや写真、動画を共有することができるため、言葉だけでは伝わらなかった部分も視覚的に伝えられます。結果的に事業所内のコミュニケーションを密にできるため、伝達漏れや伝達ミスを防ぐ効果も期待できるのです。
情報を業界内で共有してフィードバックを得るという科学的介護の取り組みも行われるため、DXを取り入れる事業所は業界内でのチームワークがますます強固になるとみられます。
業務効率がアップして介護ケアが充実する
介護が必要な高齢者が増加するとともに労働人口は減少しているという少子高齢化の日本。介護業界は生産性を向上しながらも介護職員の負担を軽減していくことが求められ、このような体制を整える手段としてもDXの推進は求められています。
しかし、介護ケアは直接的なケアが必要なため、ほかのビジネスのようにあらゆる業務をシステム化できるわけではありません。
省略できない直接的なケアを充実させるために、情報共有や事務作業、人材育成の部分を効率化することで業務効率の向上を目指せます。
また、介護業界では見守りセンサーを活用したDXが注目されています。見守りセンサーとは、ベッドや利用者の居住環境などにセンサーを取り付け、睡眠時間や寝返りや呼吸、心拍数、トイレの回数などをデータで測定できるものです。
職員の持っているデバイスを通して離れたところにいる利用者をリアルタイムで状況を確認できるため、トイレの回数や睡眠時間のデータから最適な介護ケアを検討できるようになります。
また、転倒の知らせや病気の早期発見など異常にもすぐに対応できるようになるため、介護ケアの品質向上や家族の安心にもつながるでしょう。
経費の削減と利益率の向上が期待できる
DXはテクノロジーを利用してビジネス展開していく方法です。これまで手作業で行っていた部分をAIやITなどのシステムに任せることで業務効率が上がります。
業務効率が上がると、生産性は向上しながらも人件費は抑えることができるため利益率アップにも期待ができます。
また、既存のシステムをそのまま活用し続けるとなると、システムはどんどん複雑になり、改修には多額の費用が必要になります。さらに、誰もそのシステムにアクセスできず維持費だけがかかるブラックボックス化も懸念されているポイントです。
経費の削減と利益率の向上は企業のこれからの明暗をわけるポイントになるでしょう。
介護サービスを充実させたDXを推進しよう
DXはあらゆる業界が進めるべき取り組みではありますが、介護業界は直接介護ケアを提供する対人サービス業です。本来のサービス提供をデジタルで簡素化したり、時間短縮をしたりするDXではサービスの質の向上につながるといえないでしょう。
介護業界におけるDXの目的は、本来のサービスを充実させるためのものであることを忘れてはいけません。また、施設や事業所によって抱える課題や悩みはそれぞれ異なるため、どこを人の手で対応するのか、何をDXにしていくのかを見極めていくことが重要です。