NEW!介護業界
-
公開日:
-
更新日:
意外とアカウント取得は簡単?!全ての介護事業者に登録必須となった「GビズID」とは?
皆さんは2024年の介護保険法改正にて「介護事業者の経営情報報告」という制度が立ち上がったことをご存じでしょうか?
原則としてすべての介護事業者が施設の所在地を管轄する都道府県へ報告することとなり、2025年1月より義務付けられます。
この制度は、介護事業者より情報収集することで、経営状況を見える化し、人材不足や様々な経営影響をなどの実態を詳細に把握・分析することを目的とし、今後の報酬改定などの施策検討等へ活用されるようです。
報告は施行されている、厚生労働省にて運営されるシステム「介護事業財務情報データベースシステム(仮称)」を使用した電子申請となり、その際に必要となるのが「GビズID(GbizID)」です。
今回は令和6年度分の報告までに準備が必須となる、「GビズID」について解説しています。
GビズID自体は既に様々な行政サービスなどで活用がされており、益々活用の幅が広がっていくと思われます。
まずは、どのアカウントをいつまでに用意すべきか、確認していきましょう。
GビズIDとは?
GビズIDは、法人・個人事業主向け共通認証システムです。
GビズIDを取得すると、一つのID・パスワードで、複数の行政サービス にログインできます。
アカウントは 最初に1つ 取得するだけで、 有効期限、年度更新の必要はありません。
引用:デジタル庁 GビズID HP(https://gbiz-id.go.jp/top/)
要注意!取得すべき、GビズIDの種類とは?
GビズIDにはアカウントの種類が3種類あります。 それぞれGビズIDを必要とする行政サービスにより対象となるアカウントが異なりますので、各アカウントの違いについてご説明します。※既にプライムアカウントをお持ちの場合は、改めて取得の必要はありません。
GビズIDプライム
法人代表者、個人事業主向けのアカウントでどんな行政サービスも対応できます。今回義務化された、「介護事業者の経営情報報告」で使用する、介護事業財務情報データベースシステム(仮称)には、このプライムアカウントの取得が必須となります。
GビズIDメンバー
「プライム」アカウントを作成後、従業員の方向けのアカウントとして作成ができます。GビズIDを必要とする行政サービスの殆どで活用が可能ですが、一部「プライム」アカウントの使用のみのものもあります。
GビズIDエントリー
事業しているなら誰でも作成可能なアカウント。ただGビズIDを必要とする行政サービスで、「エントリー」アカウントでは対応できないものも多い印象です。
またID作成自体はどのアカウントも無料となります。 まずは「プライム」アカウントがあれば問題ないと認識いただき、準備を進めていきましょう。
そして、「プライム」アカウント取得後、必要に応じて「メンバー」アカウントを作成されることをおすすめします。
参考・引用:厚労省 「「介護サービス事業者経営情報の報告等に関するQ&A」令和6年8月20日20日
デジタル庁 GビズID HP(https://gbiz-id.go.jp/top/)
介護事業者の経営情報報告のスケジュール
今回GビズIDが必要となった背景でもある、「介護事業者の経営情報報告」についても少しご説明します。
介護サービス事業者が報告を行わなければならない介護サービス事業者経営情報の具体的な内容に対し、「介護事業財務情報データベースシステム(仮称)」から報告をする必要があります。
報告の流れ
報告について
- 報告対象 原則、全ての介護サービス事業者とされていますが、医療・障害福祉サービスに係る事業を併せて実施している場合で、当該サービス等に係る収益や費用について、 介護サービスとの記載が区分されていない場合には、当該事業に係る部分について、除外せずに報告しても差し支えないとされています。
- 報告内容 介護施設・事業所における収益及び費用、職員の職種別人員数、職種別の給与(給料・賞与)(任意事項)等
- 報告期日 当該介護サービス事業者 の毎会計年度終了後、3月以内に行うものとするとされていますが、令和6年度内に実施されるべき報告(令和6年3月31日から同年12月31日までに会計年度が終了する報告)に限り、報告期限を令和6年度末までが報告期日となります。
(「過去1年間で提供を行った介護サービスの対価として支払いを受けた金額が100万円以下のもの」及び「災害その他都道府県知事に対し報告を行うことが出来ないことにつき正当な理由があるもの」は対象外となります。)
GビズIDの取得方法
GビズIDのアカウント取得方法には2種類あります。
①書類郵送申請
- 対象
個人事業主・法人の代表者 - アカウント発行
1週間程度 - 手続きに必要なもの
印鑑登録証明(個人事業主のみ)・印鑑証明書(法人のみ)・登録印・登録用メールアドレス・SMS受信できるスマホ又は携帯電話 - 申請方法
PCより入力した申請書を印刷し、必要書類と併せて、GビズIDの事務局へ郵送します。
*後日審査を経て、アカウントが発行されます。
②オンライン申請
- 対象
個人事業主・法人の代表者(主に株式会社・有限会社・合同会社の方) - アカウント発行
即時~数日
(※ 法人の場合、年末年始を除く平日8:00~20:00以外で申請した場合は、お時間をいただく可能性があります。) - 手続きに必要なもの
マイナンバーカード・登録用メールアドレス・カード読み取り(NFC搭載)可能で且つSMSが受信できるスマホ
※スマホにGビズIDアプリインストールが必要です - 申請方法
PCで申請情報を入力後、アプリにで必要情報入力とマイナンバーカードの読み取りをし、再度PCでパスワード等の設定
オンライン申請については、デジタル庁のyoutubeで申請方法の動画が公開されていますので、作業のイメージを掴むのに確認してみるのも良いでしょう。(3分30秒程度)
また、それぞれの申請方法については、GビズIDのHPにて詳しい説明がありますので、申請作業に取り掛かる前に、確認をしておきましょう。
参考・引用:
デジタル庁 GビズID HP(https://gbiz-id.go.jp/top/)
厚労省 介護サービス事業者の経営情報の調査及び分析等(https://www.mhlw.go.jp/stf/tyousa-bunseki.html)
既に補助金申請などでも活用されているGビズID
介護ソフトに関わらず、補助金申請をして何かシステムや機器を導入する際に活用される方が多いIT導入補助金では、申請にGビズIDの活用を数年前よりスタートしています。
これから様々なサービスにおいて、電子申請が増えることが予想されていく中、少しづつそれに対応した準備を進め、早期に着手していくことが必要と言えるでしょう。
また弊社ソフト「Care-wing介護の翼」は介護記録ソフト分野で、長年に渡ったIT導入補助金の申請実績、自治体補助金申請で採決された事例もあります。2025年の3月までにGビズIDの用意がされれば、来期の補助金申請にも活用が可能となるでしょう。
介護業界においては、近年様々なことがデジタル化されていき、取り組んでいくハードルが高いかもしれないですが、そこを乗り越えた先に訪れる業務効率が業界全体の人材不足を補う一手になると思います。
この機会に少しずつ情報収集していきましょう。