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介護職員初任者研修とは?未経験でも取得を目指せる方法を解説!

介護の仕事をしてみたいと考えても、未経験だと不安なことが多いでしょう。
介護の基本を学びたい方にとって、「介護職員初任者研修」は、介護職の第一歩となる研修で、訪問介護ヘルパーとして働くには必須の資格でもあります。
今回のコラムでは、「介護職員初任者研修」について、カリキュラムや費用、受講期間やスクール選びについて解説します。
目次
介護職員初任者研修とは
「介護職員初任者研修」とは、介護に携わる人が最低限の知識と技術を習得し、技術を実践する際の考え方を身につけ、基本的な介護業務を行えるようになるための研修です。
以前は「ホームヘルパー2級」という名称でしたが、2013年に「介護職員初任者研修」へと変更されました。
カリキュラム
介護職員初任者研修のカリキュラムは合計時間が「130時間」と厚生労働省で決められており、受講場所によって内容に大きな差はありません。カリキュラムの詳細は以下の通りです。

カリキュラムの中には、講義と実技があります。
講義で学ぶこと
介護の根幹となる理念や制度、人体の仕組みなどを学びます。- 職務の理解:介護職の役割や心構え、職業倫理について学びます。
- 老化・認知症・障がいの理解:加齢による心身の変化や、認知症・障がいの特性と、
その方に合わせた関わり方を学びます。 - こころとからだのしくみ:介護に必要な人体の構造や、心の動きについての基礎知識を学びます。
実技で学ぶこと
講義で学んだことを基に実演して、技術を習得します。- 生活支援技術:食事や入浴、排泄、着替えといった日常生活の介助方法を、
実際に体を動かしながら学びます。 - 移動・移乗の介助:ベッドから車椅子へ、車椅子からトイレへ、といった
安全な移動・移乗の技術を習得します。
実技では、受講生同士がペアになり、「介助する側」と「介助される側」の両方を体験します。
車椅子に座ってみる、アイマスクをして食事介助を受けてみる、などの「される側」の体験を通して、声のかけ方ひとつ、手の添え方ひとつで、相手が感じる安心感や不安感が全く違うことを肌で理解できます。
この経験を通して、利用者の心に寄り添えるようになります。
知識だけでなく、実践的なスキルを基礎から丁寧に学び、カリキュラム終了後の筆記試験に合格することで修了となります。
介護職員初任者研修を受けるメリット
初任者研修を受けるメリットは以下のようなことです。
身体介護ができる
介護には利用者の身体に触れる「身体介護」と掃除や洗濯などの「生活援助」があります。生活援助は資格がなくてもできますが、身体介護は無資格の場合1人で行うことができません。ですが、初任者研修を修了することで、1人で身体介護ができるようになります。
訪問介護ヘルパーとして働ける
訪問介護ヘルパーは介護職員初任者研修を修了していることが条件となっているため、研修を受けることで、訪問介護ヘルパーとして働くことができます。就職・転職に有利
介護職の求人では無資格でも可という場合もありますが、多くが初任者研修以上の条件です。そのため、初任者研修を受けることで、幅広い求人に対応することができます。
キャリアアップの基礎となる
介護の資格は、介護職員初任者研修、実務者研修、国家資格である介護福祉士と段階があります。キャリアアップのためには初任者研修が最初のステップとなります。
家庭での介護にも役立つ
初任者研修を受けることで介護の基本的な知識と技術が身につくので、家庭で介護が必要になった時にも役立ちます。未経験から介護職に就くのであれば、基本的なことが学べる介護職員初任者研修を受けることで、自信を持って働くことができます。
介護職員初任者研修を受講する方法と費用
初任者研修を受けるには、通学のみコースと通学と通信コースがあります。
また、受講費用もスクールごとで異なりますが、費用の負担を軽減する方法もあるのでご紹介します。
受講スタイル・期間
初任者研修はカリキュラム上、必ず通学する必要がありますが、講義を自宅で受けられる通信学習と組み合わせたコースも用意されています。- 短期集中コース(通学) 平日毎日通うスタイルで、約1ヶ月で取得可能。早く資格を取って就職したい方におすすめです。
- 週1~2日コース(通学) 土日や特定の曜日に通うスタイルで、約3~4ヶ月かかります。働きながら、あるいは子育てと両立しながら学びたい方におすすめです。
- 通信+通学コース 自宅でテキスト学習を進め、実技演習(スクーリング)の時だけ教室に通うスタイル。
自分のペースで進められるため、約3~4ヶ月が目安です。
早く仕事に就きたい、家庭との両立など、生活スタイルに合ったコースを選択しましょう。
受講費用・費用を抑えるための制度
介護職員初任者研修の受講費用はスクールによって変わりますが、3万〜10万円ほどです。受講費用に幅がありますが、費用を抑えられる様々な制度があるので、条件などをクリアできるものは積極的に利用して初任者研修の受講を始めてみてください。
- ハローワークの公的職業訓練 求職中の方などが対象で、条件を満たせばテキスト代など(数千円程度)のみで受講できる場合があります。まずはお近くのハローワークで相談してみましょう。
- 各自治体の助成金・補助金 お住まいの市区町村が、資格取得費用の一部を補助してくれる制度です。
- 介護事業者の資格取得支援制度 研修費用を事業者が全額または一部負担してくれる代わりに、卒業後にその事業所で働くというものです。
- 教育訓練給付金制度 雇用保険の加入期間など一定の条件を満たす方が、厚生労働大臣の指定する講座を修了した場合、支払った費用の一部がハローワークから支給される制度です。
- スクール独自の割引制度 初任者研修を受講するスクールでは独自の割引制度やキャンペーンをおこなっていることがあります。
「(お住まいの地域名) 介護職員初任者研修 助成金」で検索してみてください。
紹介制度、学生割引、ペア・グループ割などです。
スクール選びのポイント
介護職員初任者研修は通学の必要があるため、通うスクールを決めなければいけません。
以下では、スクール選びのポイントをお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 通いやすさ(立地) 特に通学コースやスクーリングでは、無理なく通える場所がおすすめです。
- スケジュール 自分のライフスタイルに合ったコースがあるのかを確認しましょう。
- 振替制度の有無 急な体調不良や外せない用事ができた際に、別のクラスで無料で振替授業を受けられるかは重要なポイントです。 振替のたびに料金が発生してしまうと、受講の負担が大きくなってしまうため、事前にしっかり確認しておきましょう。
- 費用の総額 提示されている価格にテキスト代、修了試験料、実習代などがすべて含まれているかも確認しましょう。
- 講師や教室の雰囲気 現場経験が豊富な介護職員が講師であれば、テキスト以外にも現場で役に立つアドバイスを教えてもらうこともできます。 無料説明会や見学に参加することで、講師の熱意や教室の雰囲気を感じることで、安心して学べるでしょう。
- 就職サポートの充実度 卒業後すぐに仕事に就きたい場合、専任のキャリアアドバイザーがいる、提携している介護施設の紹介をしてくれる、履歴書の添削や面接対策など、サポート体制が手厚いスクールを選びましょう。
- 使用する教材 基本のテキスト以外にも、講義に連動したDVD教材やスマホやパソコンで見られる動画が用意されているなども確認してみましょう。
自宅や職場からアクセスしやすいか、最寄り駅からどのくらいの距離があるかなど、事前に確認しておきましょう。
短期集中、週末のみ、夜間に開講しているなど選択肢が多ければ、よりライフスタイルに合ったものが選びやすいです。
後から追加費用が発生すると、予想外の出費になることもあります。また、クレジットカードや分割払いに対応しているかなども合わせて確認しましょう。
また、卒業生の就職実績も重要な判断材料になります。
通信コースでは特に、使用する教材がわかりやすいものであれば、学習内容もより理解が深まります。
参考:介護求人パーク「介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)とはどんな資格?試験内容・費用・給料など徹底解説」/レバウェル介護「介護職員初任者研修を取得するメリットとは?資格の取り方とあわせて解説」「介護職員初任者研修とはどんな資格?受講費用を抑える方法や取得のメリット」/学びネット「介護職員初任者研修」/三幸福祉カレッジ「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)の内容」/未来ケアカレッジ「初任者研修講座の受講内容」
まとめ
今回は、介護職の最初のステップとなる介護職員初任者研修について解説しました。
受講スタイルや費用、スクール選びなど生活スタイルに合ったものを選んで、ぜひ介護職への一歩を進めてください。
また、初任者研修を完了したヘルパーの更なるステップアップを目指す場合、事業所内で利用者の情報を素早く連携し、利用者について話合いをする機会を作ることも必要でしょう。
弊社の介護記録ソフト「Care-wing」は記録に写真を添付して、サービス記録と確認、管理できるため、利用者に必要なケアの質向上にもつながります。 Care-wingについて気になった方はぜひ、資料請求やお問い合わせください。
【ライター】豆田かおる
初任者研修を経て訪問介護ヘルパーとして5年ほどの勤務経験。
現在もヘルパーとして働きながら、ライター活動中。
初任者研修を経て訪問介護ヘルパーとして5年ほどの勤務経験。
現在もヘルパーとして働きながら、ライター活動中。