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介護業界でAIとは?介護現場での活用事例も紹介
介護業界でもAIでケアプランを作成したり、科学的介護にAIを活用したりなど、なにかと「AI」が話題となっていますが、介護事業所の経営者やマネジメント担当者であれば、現場へのAI導入について考えた経験があるのではないでしょうか。
とはいえ自社にはまだ早いのではと思っている方や、AIがそもそもどういうものかわからない、という方も多いと思います。そこで今回はAIとは何か、という概要を説明したうえで、介護業界でAIを活用するメリットや具体例をご紹介します。AIの特徴を理解して、介護事業所で上手にAIを活用していきましょう。
AIとは?
AIとは「Artificial Intelligence」の略で、日本語では人工知能と翻訳されます。AIは1956年に用語が作られましたが、AIの定義については専門家によって異なります。
主な研究者の定義を見てみると、知能を持つコンピュータや人間のように言葉の理解や判断のできるコンピュータという解釈が多いです。そういう意味でいうと、まだ本来のAIは開発できていないともいえますが、徐々にAIの機能性が高まっています。
例えば、1960年代に簡単なパズルや迷路などが解けるようになったAIですが、1990年代にはチェスで人間に勝てるまでになりました。
また、2016年にはチェスより思考力が問われるといわれている囲碁でAI「AlphaGo(アルファ碁)」がプロ囲碁棋士に勝利したことで話題になりました。
AIは機械学習・深層学習という技術が使われており、人間が判断基準をその都度設定しなくても情報を分析して自動で判断できます。そのため現在では、自動運転車や防犯カメラなどにもAIが搭載されており、システムの自動化やデータの有効活用に使用されています。
特に今後の日本では、高齢化がさらに進み働き手不足が懸念されているため、自動化や効率化が期待できるAIの活用は必要でしょう。
介護業界でAIを活用するメリット
AIの活用はさまざまな業界で開始されていますが、介護業界でもAIを活用することでスタッフの業務負担を軽減できます。
日本では介護事業所の利用者数に対してスタッフの数が不足しているため、一人が担当する作業も多くなりがちです。そんななかで、AI搭載のシステムを導入すれば、効率よく作業をすることができます。
例えば、AI搭載の音声入力システムを導入すれば、話すだけで入力が可能です。AIが音声入力をサポートするのである程度の正確性も期待できます。それ以外にも、AI搭載機器は介護スタッフの業務をサポートするものが多いので、導入することでスタッフの負担を軽減できるでしょう。
介護業界におけるAIの導入事例
介護業界でAIを活用するメリットを見てきましたが、実際にどのようなサービスがあるのか気になると思います。そこでここからは、介護業界におけるAIの導入事例を2つご紹介します。
事例① 見守りロボット
活用事例1つ目は「見守りロボット」があります。介護事業所では利用者が自室から移動することも多いですが、施設から抜け出したり転倒したりするので注意が必要です。
通常はスタッフが定期的に見回りをして利用者が出歩いていないかチェックしますが、他の作業を中断しなければならず効率は悪いです。その点、見守りロボットを導入すれば、定期的に施設内を見回りしてくれたり、人を見つけたら知らせてくれたりします。
もちろん、スタッフが利用者を確認することが大事ですが、見守りロボットにサポートしてもらうことでスタッフの負担が軽減できます。
事例② ケアプランや介護計画書作成システム
活用事例2つ目は「ケアプランや介護計画書作成システム」です。介護事業所では、利用者に合わせたケアプランや計画書を作成しますが、大きな時間がかかります。
その点、AI搭載の作成システムであれば、利用者の要介護度や過去の同じような利用者のデータを参考に適切なプランを作成してくれます。
例えば、株式会社シーディーアイが開発した「CDI Platform MAIA」であれば、プランを実施した際の予測も目で見えるようにグラフ化する機能もあります。グラフ化することで採用するメリットも分かりやすいですし、利用者のご家族にプランを説明する際にも説得力があります。
また、当社株式会社ロジックでも、当社保有のビッグデータから訪問介護計画書をAI使って作成サポートするシステムを金沢工業大学と共同研究しており、近日正式リリースを予定しております。(正式リリースが決まり次第お知らせいたします)
もちろん、最終的にはスタッフが検討してプランを決定すべきですが、介護プランの素案を短時間で作成してくれるので便利です。介護プランの作成に時間がかかって困っている方は検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
介護事業所ではより良い介護サービスを提供する必要がありますが、限られた人手のなかで質を上げるには効率的に働くしかありません。
AI搭載のシステムや機器を導入することで作業が効率化できるため、利用者と向き合う時間も増えます。また、データを分析することで改善すべき問題点もはっきりするでしょう。介護サービスの質を上げていきたい方は、ぜひAIの活用を検討してみてください。